皆さんこんにちは。轟鉄子の部屋へようこそ。鉄分足りてますか?
この数ヶ月コロナウィルスで世界はすっかり変わってしまいました。先行きは不透明ですが、こんな時こそ地図を見ながら架空の旅でも楽しみましょう!
前回からの続き、サナキ地名を見ていきます。まずは猿投から。私はいつもヤフー地図の地形図を使っています。古代史を考えるとき地形はとても大事ですからね!

さて瀬戸市と豊田市の境に猿投山があります。
その東南、豊田市側の麓に猿投神社がありますね。
創建は社伝によると、仲哀天皇元年。仲哀天皇はヤマトタケルの息子ということになっています。相当古い話ですね。
祭神はヤマトタケル(小碓)の双子の兄、大碓命です。
大碓は猿投山で毒蛇に咬まれ亡くなったので、この地に葬られたのだそうです。猿投山には巨石がいくつもあり、もともとは磐座信仰の山であったようです。

ところで古事記や日本書紀、古い伝説などに蛇が出てきたときは要注意ですよ。
蛇はヤマタノオロチや三輪山伝承でも出てくるように、山に住む神、先住の異質な文化(おそらく金属文化)を持つ人々の象徴であることが多く、大碓は本当に蛇に咬まれて死んでしまったわけではなく、先住民との争いに敗れたと考えるのが自然でしょう。
伝承の背景には何らかの事実が織り込まれていることが考えられますからね。実際猿投神社の祭神は古くは猿田彦だったとの話もあります。(猿田彦は天孫降臨に際して邇邇芸命を道案内した土着の神)

猿投神社には左鎌の絵馬が奉納されます(地元トヨタ系の企業がずらりと並んでいて壮観ですよ)。
これは、大碓が左利きであったからだそうです。双子の一人は左利きというよくわからない理由ですが、では鎌はどうしてなのでしょう?
金属の神をまつる美濃の南宮大社には金属や機械メーカーから金属製品をあしらった絵馬が奉納されています。
猿投神社もすこし金属のにおいがしてきましたね。
猿投周辺には縄文や弥生の遺跡、小さな古墳、廃寺跡などがありますが、金属地名マニアの鉄子としては加納、別所、薬師、炭焼、山ノ神、少し離れますが伊保、保見、金山、大鳥居、手呂(銅鐸出土地)、百々(どうど)などの地名が気になるところです。
どういうことなのか?そのうちわかってきますからね。
猿投神社神宮寺白鳳寺跡の山中観音堂など観音信仰も注意しておきましょう。猿投山西麓もとても大事なのですが、今はまずこの辺りが旧加茂郡だということを覚えておいてください!
次回は千葉の佐貫にしましょう。