「気候変動から読みなおす日本史3 ~先史・古代の気候と社会変化~」
中塚武 監修 (臨川書店2020)
古代の気候変動を通じて、考古学での例えば土器編年を、自然科学的に決められた年代に結びつけるこころみです。つまり、相対年代を絶対年代と関係付けます。
木材のセルロース中の酸素同位体比を年代の代替指標とする、監修者らによる最近の手法が、この関連付けに大いに役立っています。
紀元前6世紀から現代まで、中部日本での標準年輪年代曲線が得られています。それによると、例えば古墳時代の始まりと終わりに、ある周期での大きな気候変動があり、社会変化とのつながりが注目されます。なお、第8章では、東海地方の遺跡変遷を詳しく述べています。
年代確定のための、自然科学的な手順は以下の関連書に詳しく出ています。
[関連書]
「気候変動から読みなおす日本史2 ~古気候の復元と年代論の構築~」
中塚武 監修 (臨川書店2021)
「酸素同位体比年輪年代法 ~先史・古代の暦年と天候を編む~」
中塚武 著 (同成社2021)
「時を刻む湖 ~7万枚の地層に挑んだ科学者たち~」 (岩波科学ライブラリー)
中川毅 著 (岩波書店2015)