佐久島古墳巡り 2023年12月5日

 

 参加者20

 同行解説:浅岡優先生(西尾市文化財課)

 昨年2月の正法寺古墳、とうてい山古墳と続き、今回も解説をお願いし、佐久島の古墳時代後期の古墳を巡る貴重な機会を得ることが出来ました。 

 一色港で先生と合流し、佐久島東港までは船で25分の船旅。東港にある民宿さざなみで海の幸ランチをいただき、島の東端から古墳巡りをスタートさせました。

 

平古古墳群 

 きれいに草刈りされた所に円墳が5基。島の子供達手作りの可愛い絵の入った看板が設置されていました。

 平古1.2号発掘調査資料をもとに見所ポイントを解説。

 須恵器の蓋ばかり出土したこと、土器片は猿投のものより、湖西のものが多いなど興味深い話を聞くことが出来ました 。

 平古古墳から北の海岸へ降りて行くと「秘密基地アポロ」と名付けられた木造のおしゃれな展望台があり、そこからは素晴らしい海の景色を見ることが出来きます。


秋葉山古墳 

 東港に戻り、島の中央部にある秋葉山(31m)の上にこの古墳はあり、石室の状況から島で最初に造られたと考えられるそうです。横穴式石室は半壊し露出していました。 

 海岸近くにある群集墳と違い、島の中央に作られた単独墳でこの島の首長クラスの墓と考えられるそうです。


平地1号墳 

 秋葉山古墳から北西にある畑の中の草に覆われた円墳で、複式構造の横穴式石室が残存しています。


製塩遺跡 

 平地1号墳から海岸におりたところにあるが、標識のみで発掘は11月に終わっており、発掘状況のカラー資料で地層の様子を解説していただく。土器を含んだ黒い地層が厚く確認され、長期にわたり製塩を行っていたようです。 

 すぐ前の海岸にはカモメのオブジェが並び、島のあちこちにもアートなオブジェがたくさん見られる楽しい島でもありました。

 

山の神塚古墳(市史跡) 

 平地1号墳から北へ登って行くと丘陵の上にあります。

 12mの円墳で複室構造の横穴式石室で、中に組合せ箱式石棺を覗くことが出来ます。 

 秋葉山古墳とこの古墳の奥壁は1枚の鏡石ではないため、佐久島古墳の中で初期に位置づけられています。


エベス塚古墳 

 山の神塚古墳から島の西端海岸沿いに、佐久石として使われた段丘の地層を見ながら行くと、海に向かい建つ恵比寿神社があります。

 その奥にエベス古墳はあり、高さのある墳丘の上に石碑が建っています。近くの崇運寺開祖の塚との伝承があります。


弁天サロン 

 エベス塚古墳から先の西港にあり、島の古墳の出土物が展示されており見学。

 無料のお茶サービスもありました。

 

 


 1日歩き回ったせいか皆さんお疲れ気味。

 元気な数人が西港端にある石垣1号墳へ。

 西港で帰りの船を待つ間にすっかり日も落ちていました。終日同行し、熱心にそしてフレンドリーに島の歴史・環境と古墳を説明してくださった浅岡先生には感謝の気持ちしかありません。皆を代表して会長からお礼のご挨拶をし、全員無事に船に乗り込みました。

 ☆佐久島は一色港や蒲郡など観光地に対面しながら全く観光地化されておらず信号もない、お店の看板もない、人とすれ違うこともない。聞こえるのは、風と波の音、野鳥、猫……………

 後から知ったけど、岩合光昭映画ねことじいちゃんのロケ地だったそうだけど、そんな宣伝もしない奥ゆかしさ……………

 島全体がたくさんの絵画のような、詩のようなところでした。

 一色港で解散、帰路につきました

 (皆さんそれぞれ居酒屋に~鰻屋に~とオマケの楽しみもつきない1日でした)

 

 

 🐾 KS 🐾