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5月16日(木) 安土城考古博物館 特別展と東近江市 悠久の丘あかね古墳公園

    この時期としては強い寒気が南下して不安定な天候の予報に心配ながらも、集合場所の近江八幡駅へ。

    駅からバスでフォトジェニックなあかね古墳公園に向かいます。途中、5世紀から7世紀の古墳が集中している近江八幡市の千僧供(せんぞく)古墳群、出土品が有名な前期古墳の雪野山古墳を車窓から眺められます。

 

    ところが!

    JR中央線で動物との接触事故が発生し40分以上の遅れに、バスから乗用車で移動することに。電車組8名が車で来た人に乗せてもらい、11時過ぎにあかね古墳公園に到着。16名が参加しました。

 

    名神高速道路からも見える巨大な方墳の天乞山古墳と円墳の久保田古墳は、田んぼのなかに悠然と立っています。

    東近江市埋蔵文化財センターの学芸員さんに木村古墳群(あかね古墳公園)の解説をお願いしました。

    一辺が約65mの方墳は、序列が円墳の下に方墳という通説に当てはまらない大きさだと話されていました。

    午後は、安土城考古博物館にて開催の特別展「稀品・逸品−滋賀出土の指定文化財を中心に−」を博物館の学芸員さんに解説して頂きました。

 

    まずは常設展示室ヘ。

    滋賀県には巨大古墳はないものの、豪華な副葬品が納められた古墳が多くあると、栗東市の新開1号墳出土の甲冑や馬具を解説して下さいました。

    また、高島市の鴨稲荷山古墳出土の金銅製冠や沓の複元気品の展示は目を奪われました。沓の裏までひらひらとした歩揺(ほよう)という飾りがついていますが、儀式に際し足がつかない高い椅子に座っていたのだろうとのお話でした。なるほど、副葬品として作られたものと思っていましたが、使用していたのかもしれません。半筒形飾具は男性が髪を耳横で束ねる美豆良(みずら)という髪型に飾るものと推定されています。(左のマネキンは身につけていませんが)

 

    特別展では名の通り、丁寧に作り出した品や不思議な造形品「稀品・逸品」が目白押し!

    雪野山古墳出土の石製品の1つ、鍬形石は貝製の腕輪がもとになっているそうです。不思議な形は祭祀に関するものが多いと感じました。

 

    博物館をあとにし、歩いて前期の前方後円墳、瓢箪山古墳へ。墳頂に登り、石室を2つ発見。残り1つはわかりませんでした。

    前方部で記念撮影。

 

    学芸員さんは話のなかに、「木村古墳群があるこの地は〝木村〟性発祥の地としてNHKの番組に紹介された」「琵琶湖は法律上は川」などの雑学を交えて、私達を楽しませてくださいました。たくさんのことを教えて頂き、ありがとうございました。

 

    午前中は強風が吹つけ、波乱の1日なるかと思いましたが、旅慣れた皆さんの機転で無事乗りきりました。旅の疲れを心地よく感じて終えた研修旅行でした。